2012年11月12日 (月)

紅葉と生痕化石

Oya12111000Oya12111001Oya12111002Oya12111003 2012年11月10日、静岡市の安倍川最上流の大谷崩で、「大谷崩と親しむ会」があり、化石探しに参加しました。安倍川を上流へ登っていって、赤水の滝の手前に公園があり、紅葉がとてもきれいだったので、少し見とれていました。赤水の滝は、1707年の宝永地震のときに大谷崩が大崩壊をおこし、その土石流で川をせき止め新たに河谷されてできた滝で、この滝の展望台付近やその下流には土石流堆積物でできた段丘が見られます。

Oya12111004Oya12111005Oya12111006Oya12111007Oya12111008Oya12111009




 

 標高1200mの大谷崩もとてもよい天気で、紅葉の盛りはすでにすぎていましたが、たくさんの人が訪れていました。、「大谷崩と親しむ会」は午後1時からはじまり、大谷崩の砂防の話があり、私の方からここで見られる生痕化石の話をしました。ここから発見される生痕化石は、深海底の底生生物が這ったり、住んだりした痕で、泥底に掘られてその上に砂がかぶり、砂が固まってその凹みが残ったものです。いわゆる深海底に見られるNerites生痕群と呼ばれるタイプのもので、今回ここで砂防工事をされている新村組のみなさんと会に参加された方々のおかげで、いろいろの生痕化石を見ることができました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月25日 (月)

2011年夏休みの特別展

    今年 の4月になり、いろいろあり、急きょ自然史博と海洋科学博物館(海博)で化石の特別展を行うことになった。自然史博では、「シーラカンス」をテーマに、海博では海の生物についてがテーマになった。漠然としたテーマだったが、担当者3名の力を合わせて、なんとか開催することができた。

 Coelagate01Coelaxel01_2Coelagholl01Coelagholl02自然史博の「シーラカンス」は、日本にはじめてきた「シーラカンス」のレプリカを中心に、「シーラカンス」の化石を配置して、落ち着いてじっくりと見てもらって「シーラカンス」について知ってもらう展示を行った。

Seafoss02 Seafoss03 Seafoss04 Seafoss05  海博の「海の化石」は古生代以降の生物の歴史とさまざまな化石に接してもらうように、100点以上の化石を展示している。中には、私の発見した化石や私の調査道具なども並んでいる。ついでに、あまり似ていない私?もいたるところに立っている。

Seafoss01この夏、お暇でしたら、ぜひ博物館においでください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月 3日 (土)

カメの特別展

Kame01bKame02b  カメは三畳紀に恐竜などともに現れ、甲らをもち防御に徹し、動きがおそい爬虫類ですが、現在でもそれなりに世界に広く分布して約300種ほどが生きています。カメの特徴はなんといって甲羅ですが、これは表皮が変化したもので、上下2枚からなり内側の骨の甲板は背骨や肋骨と完全に一体化しています。この展示会でカメのことを勉強して特に古地理学的なカメの分布についてとても興味深く感じました。

Kame04b カメには首をたてに曲げる潜頚類と、横に曲げる曲頚類の2つのグループがあり、潜頚類はほぼ全世界に分布しますが、曲頚類は南半球のかつてのゴンドワナ地域に分布しています。カメはジュラ紀にいろいろな種類が現れ、白亜紀におそらく現在型の潜頚類が北半球の大陸に現れ、それより古いタイプの曲頚類が有袋類などと同様に南半球に生き残れたと思われます。

Kame05bKame03b  現在繁栄しているヌマガメ、イシガメ、リクガメなどのいわゆるリクガメ上科のカメは、新生代になって多くの種類が現れたグループで、特にリクガメは始新世以降にアフリカや南アメリカに分布を広げました。ガラパゴス諸島やインド洋の島々など孤島にいるリクガメは、このときに分布を広げたカメの子孫たちで、その後そこが海に隔てられた孤島になったために生き残ることができました。なお、ウミガメは白亜紀に海に進出し繁栄しましたカメですが、現在は8種類しかいません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月29日 (火)

アオイガイとタコブネの化石

Aoigai02 海洋科学博物館に、生きているアオイガイが展示されました。たまたま、三保の海で発見されたものが、採取されて博物館(水族館)にきました。アオイガイは貝殻を二つあわせると葵の紋のような形になることからついた名前で、貝をもつタコ(カイダコ)の仲間です。

Aoigai01 カイダコの雌は自分で船(殻)をつくり、その中に卵を抱え育てながら海洋を漂う珍しいタコということや、熱帯から亜熱帯の海にすむため、日本には黒潮に乗って漂着することがあるということは知っていましたが、なかなかその姿を見た人は少ないと思います。私自身も生きている姿を見たことはなく、どのように生きて泳いでいるか、今回その姿を見るまで知りませんでした。

Takobune01 2000年に掛川でクジラ化石の発掘をしたときに、カイダコの仲間でもあるタコブネ(フネダコの殻)の化石を発見しました。世界でも初めてか二番目の発見で、200万年前の掛川の地層から出たことから、現世種が200万年前からいたことが明らかになった貴重な化石です。今、博物館では生きているカイダコと化石のカイダコの両方が見られます。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年1月 3日 (木)

特別展「化石を掘ろう」

P102056401P102055901  あけまして、おめでとうございます。今年もよろしく。今年は元旦から博物館が開館してお仕事をしていました。昨年末までに特別展「化石を掘ろう」の展示を終了し、現在開催しています。この特別展では、化石のことやいろいろな化石について紹介し、実際に化石をクリーニングしてもらうところも用意してありますので、ぜひおいでください。

P102056501 この特別展では、静岡県の化石コレクター2人とその化石を紹介しています。ひとりは、掛川層群の化石コレクターの田辺 積さんです。田辺さんの膨大な化石コレクションと、その化石を教育的に活用されていることについては、いつも頭のさがる思いがしています。今回は、同じ産地の同じ種類の貝化石を大量に並べたものと、珍しい貝化石を展示させていただきました。飛鳥から採取されたたくさんのヤクラモシオガイは壮観です。これらはほんの一部で、さらにこれらをひとつひとつクリーニングされたこも、化石にかける思いがうかがえます。

P102056601 さて、二人目は宮沢市郎さんです。宮沢さんは、私たちの編集した日曜の地学「静岡の自然をたずねて」を見て化石採集をはじめ、私たちが以前シカの足や肋骨の骨化石の一部を発見した富士川河床の庵原層群から、シカの角化石を発見されました。さらに今回は、私たちの発掘サイトをひとりで再発掘されて、頭骨を含むほぼ一体分のシカの骨化石を発見し、それを2年かけてひとりでほとんどをクリーニングされました。

また、静岡県からはアンモナイトの化石がほとんど知られていないことから、なんとか化石を発見しようと、いろいろな場所を探し、水窪でとうとうアンモナイトの化石を発見しました。今回は、シカの骨格化石とアンモナイトの化石を初公開させていただきました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月18日 (木)

久能山と久能山沖

Negoya00Negoya01  今年の卒業研究で、有度丘陵久能山付近の地層と化石をテーマにしています。久能山付近には根古屋層という30万~20万年前に海底で堆積した礫層や泥層が分布していて、その中に貝化石が含まれています。21日には博物館の自然観察会で化石採集することもあり、昨日下見調査してきました。化石採集する場所は、昨年から今年にかけて崖が一部崩れて、昨年よりも化石を掘りやすくなっていました。

Negoya03Negoya04_2Negoya02   その後、その南の沢を学生と入り、Ng-2と呼ばれる火山灰層を観察しました。Ng-2は2層の火山灰層からなり、その下位7mにも軽石の密集する層を発見しました。最後の写真は最近の学生さんの巡検バックです。泥まみれブッシュこぎの地質調査にはかわいらしいバックです。

Minami101801Minami101804Minami101805Minami101806 根古屋層がどのような海底で堆積した地層なのかを、現在の久能山沖の堆積物や生物の分布から調べようと、今日は海洋学部の調査船で海底の堆積物を採集してきました。午前中は三保の羽衣沖で20mよりも浅い海底の堆積物を採集し、午後に久能山沖で140mまでの海底の堆積物を採集しました。午前は波が少しありましたが、午後になるととたんに風がやみ、海が凪いで深めの採泥には絶好の条件になりました。

Minami101802_2Minami101803_2Minami101807_2   港にはちょうど日本丸もきていて、海洋観測船淡青丸もいました。日本丸は午後に私たちが港に帰ってきたときに清水港を出港していきました。久しぶりに海の風にあたり、海底調査やそれをとおして海底のようすにも接することができました。海洋資源学科の学生さんや船員さんに感謝します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年1月20日 (金)

真珠の化石

1月19日に国立科学博物館にちょっと寄って「パール」展を見てきました。特別展もあと数日ということで会場はおばさんでいっぱいでした。男の人は2人くらいしかいませんでした。入って最初に展示してあった「マリリンモンローのネックレス」は見たものの、後はほとんどの展示物を見ることができませんでした。壁際の展示窓はおばさんたちに占領されていて、横から覗き込むこともできない。普通は順繰りに進んでいきますが、おばさんたちはほとんど動かないので、順繰りに進むこともできず、それでも飽きずに展示窓の前で井戸端会議を始て、まったく前に進まない。

なんとか空いてる展示窓を見つけてのぞいてみたら、そこには「真珠の化石」が展示されていました。おばさんたちは、化石にはどうも興味がないようでした。始新世のロンドンクレイ(粘土)層から発見されたもので、ハボウキガイの仲間の貝化石の中に3つの小さな真珠が収まってありました。これを発見した人はさぞかし感動しただろうと、しげしげと見つめてしまいました。巻貝は貝殻に真珠層を作らないので、銀色の真珠はもっぱらアコヤガイなどの二枚貝でできますが、それでも巻貝の作る真珠層のないピンクやオレンジの真珠もあり、これもまたきれいでした。

「パール」展はニューヨークのアメリカ自然史博物館とシカゴのフィールド博物館の展示物が主体で展示されていましたが、以前「ダイヤモンド」展などあり、このような光ものの展示では、日ごろ自然史系博物館に近寄らない多くの女性を集客することができるものだなと、おそれいりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年12月15日 (木)

化石の値段

IMG_8148b 明日から始まる「東京ミネラルショー2005」へ行ってきました。まだ今日は準備中でしたが、関係者などは見学や買い付けなどでました。以前とくらべて大物や高額なものはきていませんでしたが、最近の「ストーンブーム」で女性客も多いとのことでした。博物館関係者やバイヤー、いろいろと懐かしい人とも会えました。明日からは大勢の人がそれぞれの趣味や興味で、化石や岩石、鉱物などをたくさん買っていくのでしょう。

IMG_8149b ここで売られている化石や鉱物には値段がついています。この値段はどのようにつけられているのでしょうか。化石など値段はあってないようなものですが、ほしい人がいる限り、この資本主義の世界では需要と供給の関係なのか、なんでも値段がついています。納得するものもあれば、どうやってつけられたのか疑問のものも。最近はネットオークションでも化石が売買されているといいます。売れるものであれば、みつけたもの、掘り出したもの、売ったもの勝ちで、未記載のものまで売られてしまう場合もあります。標本をもっていない博物館は、これまでよいお客さんでした。

以前、中国の「孔子鳥」を日本の博物館で購入したのが問題になりましたが、流失した標本の散逸を防ぐのも必要な手段かもしれません。ただし、買う人がいるから、売る人もいるということで、モラルのない売買やイミテーション、詐欺、密輸などが横行するのは気にかかります。ミネラルショーが多くの人々に化石や鉱物の魅力や興味を広め、見ることの楽しさやささやかな買い物の楽しみを与え、また学術的な交流の場でもあることを望みながら、見学させていただきました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年12月 7日 (水)

掛川の化石

IMG_8120bIMG_8118b ここ数日風邪気味で、ブログの書き込みもままならなかった。3日坊主にならないためにもここらで書き込んでおかなくては・・。さて、今日は掛川へ行って化石層をユンボで引っかいてもらい、10トントラックに積んで博物館へ運んでもらいました。化石採集としては少し大胆な方法でした。採土場にちょうど貝化石密集層がでているところがあり、以前からある程度の量を確保したいと思っていましたが、現場の管理会社と相談して採取運搬をお願いしました。

kakegawaexp01 化石や地層の露頭(地層が露出している崖)を保護したり、記録をとることは、埋蔵文化財とちがって義務付けされていません。したがって、工事現場などで重要な化石が出ても、重要な火山灰や断層がでても、ほとんど知られることなく、削られてしまうか埋められてしまいます。掛川では、以前に造成地でクジラの肋骨化石がでたので、許可を得て一部の地層で発掘をさせていただきましたが、これは異例のことでした。

kakegawashell 掛川では、ここ10数年造成開発や道路工事が多くあり、丘陵地が削剥されて露頭がたくさんでました。ちょうど掛川地域の地層を調査していたこともあり、工事現場廻り、地層の記載や化石の採集をしました。工事現場では化石採集を趣味としている方たちにもあい、いろいろな情報や採集された標本も見せていただきました。彼らの標本には、すでに消失した露頭からの貴重な標本もありました。

KAKEGAWAMAP01 掛川市から菊川市にかけての丘陵には、今から約400万~100万年前に海にたまった地層が分布しています。特に掛川市街から北北西にかけての地域に分布する砂層には貝化石が密集している層もあり、古くから研究されていて、日本の太平洋岸のこの時代の代表的な化石産出地として、世界的にも有名な場所になっています。しかし、現在では化石の採集できる場所も限られ、たくさんあった各層準の代表的化石産地も消失しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年11月29日 (火)

石灰岩は化石の宝庫

tokyocoral01bIMG_1099b  写真は東京駅八重洲口の大丸入口付近の柱に使われている大理石(石灰岩)のサンゴの化石です。大理石は石灰岩が熱で再結晶した岩石ですが、化石がはっきり見えるものは大理石というより石灰岩と呼んだ方がよいかもしれません。ただし、商品名としては大理石として呼ばれます。

石灰岩にはたくさんの化石が入っている場合があります。石灰岩はどのようにできたのでしようか。もともと、石灰岩はサンゴ礁かその周辺でできます。サンゴ礁は浅く暖かな海なので、造礁サンゴはじめ貝や藻類、魚などおおくの生物がすんでいます。それらの多くは石灰の殻をもっていて、それらがサンゴ礁の中でたまってそのまま石になったのが石灰岩です。

okinawa050602bokinawa050601  サンゴ礁には波が強く当たる礁の部分とその内側の礁湖の部分や貝殻などの砂からなる砂浜があり、海水も石灰(炭酸カルシウム)に対して飽和していて、貝殻片など粒子の間はすぐに炭酸カルシウム(方解石)の微結晶で固められビーチロックという石灰岩ができてしまいます。砂岩や泥岩などの堆積岩ができるためには、普通その材料となる砂や泥がどこからか運ばれてこなくてはなりませんが、石灰岩の場合はその場所で生物によって材料が作られ、その材料によってすぐに岩石になっていきます。したがって、サンゴ礁でつくられた石灰岩は化石がたくさん入っていることになります。

サンゴ礁はどのようなところにできるのでしょうか。温かく浅い海ということと、もうひとつ水が濁っていないという条件があります。川から土砂が流れてくるようなところではサンゴ礁は発達しません。サンゴ礁がどんどんできていくためには、海面が上昇することが必要です。サンゴ礁は海面の上には成長できませんから、海面が停滞していたり、下がればそれだけ規模が小さくなります。

現在のサンゴ礁の島々の礁湖の多くの深さが100mあることが知られていて、それはウルム氷期以降の海面上昇で説明されています。海面が上がると、砂や泥などの堆積物は陸側でトラップされて、沖側には流れてこないために、サンゴ礁などができやすい環境ができます。また、海が広がると温暖な気候になり、また石灰岩(炭酸カルシウム)が多く作られることは、二酸化炭素(CO2)の固定にもなります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧